タクトリサイクル

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リユースカップProducts

使い捨てコンタクトレンズのプラスチックケースをリサイクルしたリユースカップ

文:代表 岡田美保

リサイクル品であるレンズケースから誕生。

「EYE LOVE EARTH」プロジェクト

私たちの活動である「EYE LOVE EARTH」プロジェクトは、2013年にスタートし、2019年で約6年が経ちました。県内の眼科医院や学校が中心ではありますが、ホームページを見て他県の学校や個人のユーザーの方々から問い合わせがあり、回収協力機関は増えて参りました。

昨年6月のナショナルジオグラフィック日本版による海洋プラスチックゴミの深刻な状況の提起がなされるずっと前に、私は自分が代表を務めるコンタクトレンズ販売業に漠然とした悩みを抱えていたのですが、ある時、空いたレンズケースを回収することを思いつきました。

環境学を海外で学び環境省のシンクタンクに籍を置く娘に話したところ、CSRという観点で取り組みが出来るのではないかと知り、始めてみることにいたしました。

レンズケースは約1gの良質なポリプロピレン(PP)

使い捨てコンタクトレンズのケースは、約1gの良質なポリプロピレン(PP)から出来ています。よく見てみると、どのメーカーのケースにもどこかに♷リサイクルマークが印字されています。同じPPから造られたペットボトルの蓋と違い、色も透明か半透明と揃っていて、付着しているのは生理食塩水に限られることを活かし、私たちは、回収をスタートしたときから他のPPとは混合せずに、このケースだけで何か再生品を造れないかと考え、プラスチック再生利用会社に協力をお願いし、回収したケースを保管してきました。

プラゴミの大幅な減量に貢献しているリユースカップ

今日まで、使い捨てコンタクトレンズのケースの再生品として眼鏡のフレームを作ってみたこともありますが、試作品を見ても心を動かすものではなく、何がこのケースから造れるのかと考え続けてきました。ある時、海外のサッカー観戦に行った友人から、スタジアムでは使い捨てではないリユースカップが以前から用いられていて、購入も返却も出来、スタジアムの大量なゴミの減量に貢献しているという話を聞きました。PPから使い捨てではないリユースカップが作られていることを知ったのはこの時でした。

厚生省の食品衛生法の規格水準に適合

調べてみると、既に日本国内でもラグビーの試合や京都祇園祭りなど多くのイベントで、リユースカップが実際に使われていて、運営会社に問合せたところ原材料は、やはりポリプロピレンとのことでした。これらは、ピュアなPP原料から作られたものですが、これをリサイクル品であるレンズケースからも造れるのではないかと考え、リユースカップ製造会社に連絡をし既存の金型から試作品を作ってみることにしました。

そのために、ケースを洗浄→乾燥→粉砕→リペレット化し、そこから出来た試作品を高分子検査センターにて検査を経て、ようやく厚生省の食品衛生法の規格水準に適合するという認可を得ました。

特許を出願中

この使い捨てコンタクトレンズケースのリサイクル品からのリユースカップは、初の試みとなるため、現在、特許を出願中です。

沢山のゴミを出す使い捨てコンタクトレンズを使わず、従来のコンタクトや眼鏡を使用するというのは現実的に無理があるのであれば、資源となるものを捨てない意識改革が求められているのではないかと、私たちは考えます。

QS6000 ICHINOMIYA CHIBA OPEN

このリユースカップは、オリンピックのサーフィン会場である一宮町で、2019年5月に開催された世界大会QS6000 ICHINOMIYA CHIBA OPENの公式ノベルティとして使われ、ドリンク販売にも使用されました。1回目ということもあり、多くの課題を残す事となりましたが、今後、様々な企業のイベントや社内でのマイカップとして使ってもらうことが出来ないかと現在、模索中です。

月刊誌「グローバルネット」の取材

地球・人間環境フォーラムの月刊誌「グローバルネット」の取材を受け、2019年5月号のトップページにリユースカップのことが掲載されました。下記の写真は、サーフィン世界大会QS6000 ICHINOMIYA CHIBA OPENで使われたリユースカップ(450ml)です。

リユースカップ

QS6000 ICHINOMIYA CHIBA OPEN(外部サイト)

収益金について

一般社団法人タクトリサイクルの活動による収益金の一部は、公益財団法人日本アイバンク協会に寄付していく所存ですが、正直なところ収益金というのは全く生まれてきていないのが現状です。

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